
- 今月の営業日
- シングルオリジン豆入荷
- 季節の限定メニュー登場
- 権三郎の一言
BlendWorksのお話
山あいに、地図にない道を辿っていくと、ふと現れる木造の小さな建物。そこが、森山権三郎が創立したカフェ「BlendWorks」だ。看板にはひっそりと、手彫りの文字でこう書かれている。
「どんぐりを辿っても着きません」
この一風変わった言葉には、森山の人生そのものが込められている。
権三郎は、若いころ山林保護の研究者として世界を渡り歩いていた。木を伐る者を咎めるのではなく、木を知り、対話し、再び森を呼吸させる方法を模索していた。 だがある時、妻・澄江を病で亡くす。世界の騒がしさが一気に崩れ、静寂だけが彼に残された。 研究者を辞し、二人子供たちとともに妻が愛した山のふもとへ移り住む。そこに小さな焙煎所を作り、静かに珈琲を挽き始めたのが、BlendWorksの始まりだった。


BLENDとは
BlendWorksの珈琲は特別だ。
豆の産地は世界中だが、焙煎は一点の雑味も許さぬ精度で行われる。ひとつの豆が持つ物語を、もう一つの豆と結び合わせ、ひとつの香りとする。 その技はまるで、人と人との関係を静かに、しかし確かに結び直すような、禅にも似た行い。 客が席につくと、森山が静かに問う。
「今日は、どんな一日でしたか」
その一言をもとに、豆の種類、挽き方、温度、抽出時間を全て変え、その人だけのブレンドを作り出す。 「心の隙間に、一杯の珈琲が入れば、それでいい」 彼はそう言うが、何かを癒やされた客たちは口を揃えて言う。 「あの人は、心のブレンドマスターだ」と。

木洩れ日ラテ
「光は、静けさの中で一番よく見える。」
自家焙煎ブレンドに低温スチームミルク合わせた一品。やわらかな光が注ぐような優しい口あたり。

霧雨ラベンダーソーダ
「晴れなくても、落ち着ける味。」
ラベンダーの香りにレモン、そして色鮮やかな紫蘇シロップを使用した、雨上がりの香りを閉じ込めたような静かな炭酸。

薄明抹茶オレ
「静けさが染み込むような、温かい余白。」
抹茶・自家製の白味噌シロップ・スチームミルク 淡く塩気を帯びた白味噌が、抹茶の苦みと絶妙に調和。
FOOD MENU

木陰のトーストプレート
「パンは語らない。だが、すべてを覚えている。」
天然酵母パン・自家製山葡萄ジャム・無塩バター・ハーブサラダ、朝の静寂をそのまま盛ったような一皿。

朝焼けとしずくとバターのひと時
「喋るにはまだ早い朝に。」
発酵バターとシロップ、しずくのような粗目の塩がゆっくり溶けていく、ふっくらとした一皿。静かに甘く、語りすぎない。

簿暮のキッシュ
「夕暮れが森に溶ける、深い香りと仄かな痺れ。」
竹炭と黒ごまペーストを練り込んだ生地にほうれん草・舞茸・山羊のチーズを詰め込んだ、山椒をアクセントに。しっとりとした森の香り立ち。
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